パニック障害ってなに?症状や原因、治療方法などを紹介します

心の病気は色々ありますが、その中で「パニック障害」というものがあります。

うつ病などと並んで聞いたことがある方もいると思います。
言葉は聞いたことがあっても、実際パニック障害というものがどんなものかご存じない方も多いと思います。

このページでは、パニック障害について紹介します。

パニック障害とは何か?

パニック障害は不安障害の一種です。不安障害とは「不安症」とも言われ、
行き過ぎた不安を感じるようになった状態のことをそう呼びます。
不安障害には、他に高所恐怖症や閉所恐怖症などの特定の恐怖症やPTSD(外傷後ストレス障害)などがあります。

パニック障害の症状

症状としては以下のようなものがあります。何の前触れもなく突然に起こったりします(パニック発作)

  • 息切れ、呼吸困難、動悸、頻脈
  • めまい、ふらつき、気の遠くなるような症状
  • 胸の痛みや窒息感、不快感
  • ほてり、発汗、悪寒
  • しびれ
  • ふるえ

息切れなどがしても、心電図などの検査では異常が認められません。そのため、命にかかわるような状態になる事はありません。
10分ほどでピークになり、30分ほどで症状が治まりますが、
パニック発作を繰り返すうちに再発への強い不安(予期不安)を感じるようになります。

また起こってしまう事への不安はもちろん、症状が出ることで「正気を失ってしまうのではないか」といった不安感が強くなります。
それにより、消化器にも影響が出て、吐き気、腹痛、下痢といった症状を起こす方もいます。
頻度や期間、パニック発作の起こる間隔などは人それぞれで一概に言うことは出来ません。

パニック障害の原因

はっきりした原因はいまだに解明されていませんが、原因として考えられているのが過労やストレスなどがあるようです。
疲れなどを感じると乳酸がたまりやすく、それがパニック発作を引き起こす原因となるためです。

脳内では、脳内物質のノルアドレナリンが過剰に出ることが引き金となり、
ノルアドレナリンが過剰に出ることで身体は興奮状態となります。
その状態や過労・ストレスに対して、自らを守ろうとする働きが過剰に働くことで動悸などを引き起こします。

遺伝は関係あるのか?

「遺伝要因が関係しているのでは?」という研究報告も多くあるのですが、
遺伝子までの特定はされておらず、この点もはっきりしたことはわかっていません。

ですが、パニック障害になった患者さんの近しい人はなりやすいという報告があります。
以下のような場合、発症率が高い(危険度がある)といった報告があります。

  • 兄弟や子ども、親などの近親者は、通常の発症率の約8倍
  • 双子の場合、片側がパニック障害の場合、もう片側がなる確率は一卵性では約10倍、二卵性では約5倍

家庭環境は関係するのか?

「家庭環境が良くなかった、育て方を間違えた」などと思われるご家族の方もいるかもしれません。
虐待があった、小さい頃に親と離婚などで会えなくなったなどのような経験があり、
自分の気持ちを抑えるようになると、ある時症状が起こることはあるようですが、この点も明確な原因ははっきりしていません。

他にも色々なケースがありますが、
共通しているのは自分の怒りや不安な気持ちなどを抑えたり、いい子になろうという気持ちと行動が原因になっているようです。
ここから考えると、パニック障害の治療は本人だけでなく、家族や近しい人の協力も必要と言えます。

他の病気との違い

似たものに社会不安障害がありますが、これは症状の起こる引き金が具体的に分かっています。
例えば、職場にいると決まって症状が起こる、特定の人といると症状が起こるなど具体的です。

社会不安障害に関しては別に紹介していますのであわせてご覧ください
⇒ 社会不安障害のページはこちら

それ以外にも高血圧や狭心症などの疾患、薬の副作用なども可能性としてあるので、
血液検査などを行い色々な可能性を排除した上で原因を特定する必要があります。

このように様々な原因があげられ、どれか一つ特定をすることは非常に困難であり、個人での解決は非常に難しいと言えます。
もし症状にお困りであるなら一度、医療機関でのご相談をおすすめします。

お悩みの方はお気軽にお電話ください

パニック障害の治療方法とは?

パニック障害の治療方法は主に薬物療法と行動療法などの薬剤を使用しない方法があります。
薬物療法は原因の項目でも触れたように脳内の原因物質であるノルアドレナリンによる興奮を抑えることが目的です。
現在は様々なお薬があり、患者さん一人ひとりに合うお薬の処方が可能です。

どの治療を行っても、一朝一夕で改善するわけではなく、長期的に治療を行っていかなくてはいけません。
よくなっても、またぶり返して再発する可能性もあるので、改善しても
しばらく薬物治療や行動療法などは続ける必要がある点を考えると長期的な視野が必要であるといえます。

ゆっくり焦らず治療をすすめていきます。

一人で悩まず一度相談を

少なくともパニック障害は風邪のように何かに感染して発症したりするものではなく、
過去の蓄積がパニック発作という症状になって出てきたものです。

いわば、コップに溜まった水があふれて処理しきれなくなった状態ということができるでしょう。
そして、そのコップが他の人より小さかったり、
蛇口から流れ出る水量が多いために発作が出やすくなった状態で考えることができます。

治療により、水を抜く方法やコップを大きくする方法を行いますが、粘り強く治療を続ける必要があります。
それだけに長期的に考える必要がありますし、家族などの近しい人の協力が必要な時もあります。

ご自分で対処出来ればそれに越したことはないですが、実際なかなか難しいですし、
ご自身で家族の方を説得したりするのは困難なケースも多いことかと思います。

パニック障害の起こる原因や引き金は患者様一人ひとり異なるように、治療へのアプローチの仕方も異なります。
ご家族の協力が必要な場合もあるでしょうし、医師などの医療者が間に入ることで
サポートが受けられやすい状況を作る手助けができるかもしれません。

ですので、一人で悩まずまずは一度ご相談ください。

お悩みの方はお気軽にお電話ください

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